TMU Social Anthropology


研究 教育 大学院入試 社会人類学年報 kyoten-bnr00
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小田 亮

 

■プロフィール

略歴:

1973年3月 東京教育大学附属高等学校卒業(1970年4月~)

1980年3月 埼玉大学教養学部教養学科卒業(1976年4月~)

1982年3月 東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程(社会人類学専攻)修了(1980年4月~)

1988年3月 東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程(社会人類学専攻)単位取得満期退学(1982年4月~)

1988年4月 日本民族学振興会研究員 1989年4月 桃山学院大学文学部国際文化学科・講師

1992年4月 桃山学院大学文学部国際文化学科・助教授

1995年4月 成城大学文芸学部文化史学科・助教授

2000年4月 成城大学文芸学部文化史学科・教授

2013年4月 首都大学東京・都市教養学部人文社会系社会人類学分野・教授

取得学位:

1982年3月 文学修士、東京都立大学・社会人類学専攻

2000年3月 博士(社会人類学)・東京都立大学

主要所属学会:

日本文化人類学会、東京都立大学社会人類学会

研究内容

研究領域(専門分野):

社会人類学の諸理論(とりわけ構造主義的人類学)、アフリカ民族誌、沖縄の歴史人類学。

最近は、日常的抵抗論と文化的コモンズ論をテーマとしたアクチュアル人類学を立ち上げることに取り組む。

主たる調査地:

東アフリカ(ケニア、タンザニア)、沖縄県、宮城県気仙沼市など

■研究業績

著書:

2000 『レヴィ=ストロース入門』筑摩書房(ちくま新書),全238頁。(近刊)『柳田國男の人類学』 

編著:

『プロレスファンという装置』青弓社(亀井好恵と共編)。

『呪術化するモダニティ:現代アフリカの宗教的実践から』風響社(阿部年晴・近藤英俊と共編)。

『グローカリゼーションと共同性』(グローカル研究叢書1)成城大学民俗学研究所グローカル研究センター。

        
論文:2000 「共同体というものをどのように想像するか:『歴史主体』論争への人類学的介入」『日

本常民文化紀要』(成城大学大学院文学研究科)第21輯,13-56頁。

2001a 「グロテスクなものとしての始源的世界:周縁性の詩学と『切断』という戦術」嶋根己・藤村正之編『非日常を生み出す文化装置』北樹出版,178-194頁。

2001b 「クリアにおける儀礼の衰退と変形」『東アフリカにおける国家主導の社会・文化変化と地域的適応に関する動態論的研究』(科学研究費補助金[基盤研究(A-2),研究代表者・松園万亀雄,課題番号0941027]研究成果報告書),75-87頁。

2001c 「生活世界の植民地化に抗するために:横断性としての『民衆的なもの』再論」『日本常民文化紀要』(成城大学大学院文学研究科)第22輯,1-43頁。

2001d 「越境から,境界の再領土化へ:生活の場での〈顔〉のみえる想像」杉島敬志編『人類学的実践の再構築』世界思想社,297-321頁。

2003a 「文化人類学からみたカルチュラル・スタディーズ:文化・民族誌・ポストコロニアル」『日本常民文化紀要』(成城大学大学院文学研究科)第23輯,1-46頁。

2003b 「関係性としてのポリフォニー:複数性と過剰性について」『文化人類学研究』第4巻、57-65頁。

2003c 「二元論とその批判が隠蔽すること:あるいは『抵抗』という概念について」『社会人類学年報』29巻、1-26頁。

2003d 「『野生』の他者化を回避するために:ノスタルジアとアンビヴァレンス」スチュアート ヘンリ編『「野生」の誕生:未開イメージの歴史』世界思想社、

2004 「都市と記憶(喪失)について」関根康正編『〈都市的なるもの〉の現在』東京大学出版会、422-444頁。

2005a 「共同体という概念の脱/再構築:序にかえて」『文化人類学』69巻2号、236‐246頁。

2005b 「『模倣』という戦術:あるいはシステムの外部の語りかた」『日本常民文化紀要』(成城大学大学院文学研究科)第23輯、109-138頁。

2005c 「西ケニア・クリア社会における『レヴィレート』:外からの変化と寡婦たちの戦術」松園万亀雄編『東アフリカにおけるグローバル化過程と国民形成に関する地域民族誌的研究』平成12年度-平成15年度科学研究費補助金[基盤研究(A)(1)、課題番号12371005]研究成果報告書、109-129頁、2005年6月。

2006a 「文化人類学とカルチュラル・スタディーズ」綾部恒雄・桑山敬己編『よくわかる文化人類学』ミネルヴァ書房、2006年10月

2006b 「構造主義」綾部恒雄編『文化人類学20の理論』弘文堂、73-89頁、2006年12月。

2007a 「ストリートを取り戻す」『民博通信』116号、7-8頁。

2007b 「現代社会の『個人化』と親密圏の変容:個の代替不可能性と共同体の行方」『日本常民文化紀要』(成城大学大学院文学研究科)第26輯、45-77頁(188-156頁)、2007年3月。

2007c 「まえがき」阿倍年晴・小田亮・近藤英俊編『呪術化するモダニティ:現代アフリカの宗教的実践から』風響社、1-9頁。

2007d 「呪術・憑依・ブリコラージュ:真正性の水準とアイデンティティ」阿倍年晴・小田亮・近藤英俊編『呪術化するモダニティ:現代アフリカの宗教的実践から』風響社、179-200頁。

2008a  「網野善彦を文化人類学的に読み解く」『大航海』65号、150-155頁。

2008b  「社会人類学から読む『源氏物語』:レヴィ=ストロースの論考を中心に」『国文学 解釈と鑑賞』73巻5号(924号)、53-60頁。

2008c 「真正性の水準について」『思想』1016号(2008年12月号)、297-316頁。

2009a 「生活の場としてのストリートのために:流動性と恒常性の対立を超えて」関根康正編『ストリートの人類学 下』(国立民族学博物館調査報告81号)、489-518頁。2009年3月。

2009b 「『二重社会』という視点とネオリベラリズム:生存のための日常的実践『文化人類学』74巻2号、272-292頁、2009年9月。

2009c 「共同体と代替不可能性について:社会の二層性についての試論」『日本常民文化紀要』第27輯、1-42頁、2009年12月。

2010a 「構造でシステムを飼い慣らすということ」『現代思想』38巻1号、146-15頁。

2010b  「二重社会論、あるいはシステムを飼い慣らすこと」『日本常民文化紀要』第28輯、226-256頁。

2010c 「序論――グローカリゼーションと共同性」小田亮編『グローカリゼーションと共同性』(グローカル研究叢書1)、成城大学民俗学研究所グローカル研究センター、1-42頁、2010年3月。

2010d 「真正性の水準と『顔』の倫理」小田亮編『グローカリゼーションと共同性』(グローカル研究叢書1)、成城大学民俗学研究所グローカル研究センター、245-274頁、2010年3月。

2010e 「『家』の比較研究に向けて」出口顯・三尾稔編『人類学的比較再考』(『国立民族学博物館調査報』90)、125-146頁、2010年3月。

2011 「出来事としての『先祖の話』」『成城大学民俗学研究所紀要』35号、16-58頁。

2012 「レヴィ=ストロースによる柳田國男:真正性の水準と歴史の観念をめぐって」『日本民俗学』271号、48-63頁。

2013a  「『家のない社会』における家原理:レヴィ=ストロースの『家』概念をアフリカから考える」小池 誠・信田敏宏編『生をつなぐ家:親族研究の新たな地平』風響社、33-53頁。

2013b 「非対称化されたネットワークに亀裂をいれる」『現代思想』41-9、200-209頁。

■競争的資金等の研究課題

■主な兼務歴(非常勤講師、共同研究員等)

■学会活動・社会活動・社会貢献

1984年4月 日本民族学会会員(~2004年3月)

1998年4月 日本民族学会評議員(2002年3月まで)

1998年4月 日本民族学会理事(2002年3月まで)

2004年4月 日本文化人類学会会員(現在に至る)

2004年4月 日本文化人類学会評議員(2008年3月まで)

2004年4月 日本文化人類学会理事(2008年3月まで)

2004年4月 日本文化人類学会学会誌『文化人類学』編集主任(2006年3月まで)

2010年4月 日本文化人類学会評議員(現在に至る)

2010年4月 日本文化人類学会理事(現在に至る)

■メッセージ

大学院の博士課程前期まで人類学を学んで就職した卒業生たちは、人類学を専攻したことで人との付き合い方やものの考え方が他の人たちとどこか違っているみた いで、とても役に立っているだということをよく言います。「人類学的センス」としか言いようのないものがあるのでしょう。

そのことでわかるのは、センスというものはやり方さえ間違えなければ、誰にでも身につけることができるということです。それは「研究のセンス」にも言えま す。ただ、それを文字に書いて教えることは難しく、直接に同じ場を共有しているような、一種の徒弟制みたいな伝え方しかないようです。もちろん、ことばも 使いますが、実際に一緒にやってみるということが必要なのです。研究ということ自体が、たとえ一人でやっているように見えても、何かを共有していることを 基盤としつつ、誰かと共有できるものを生み出す作業であり、人と何かを共有する楽しみを味わうことなのですから。

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